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【企業】自動車塗料が無くなる 関西ペイント、電池素材に参入


2018/04/26 07:28

日本経済新聞 2018/4/25 15:53
www.nikkei.com
リチウムイオン電池用材料に関する技術開発について記者会見する関西ペイントの石野社長(25日午後、大阪市中央区)
https://www.nikkei.com/content/pic/20180425/96958A9F889DE0EBEAE0E2EBE0E2E0E7E2E6E0E2E3EAE2E2E2E2E2E2-DSXMZO2982090025042018000001-PB1-2.jpg

 関西ペイントは25日、リチウムイオン電池材料の開発に参入すると発表した。塗料の開発で培った
粒子を細かく砕いて分散させる技術を活用して導電性材料を開発し、2020年にも販売を始める。
異分野に進出するのは自動車用塗料が無くなる可能性を危惧しているからだ。自動車大手が二酸化炭素(CO2)
排出量の大幅削減を目標に掲げる中、一部の製造現場ではCO2排出量が多い塗装工程を無くしてしまうという
ドラスチックな考え方も出始めている。

 「自社の技術が電池の性能向上に役立つはずだ」。同日大阪市内の本社で会見した石野博社長は自信をみせた。
同社は20年をめどに、電池の出力性能を高める導電性材料などの販売を始める。導電カーボンを適度に
分散させて電気の通りをよくした材料で、電極に塗って使う。同社が塗料開発で培った粒子を分散させる技術を活用した。

 すでに試作品は開発済み。今後電池メーカーなどへのマーケティングを進めながら実用化にむけて改良する。
早期に20億円程度の売上高を目指す。

 塗料市場は新興国を中心に拡大を続けており、足元では成長産業だ。ただ長期で見た場合、少し景色は変わる。
懸念材料のひとつが自動車メーカーの環境対策だ。例えば、トヨタ自動車が2050年に工場からのCO2排出量を
ゼロにする目標を掲げるなど製造段階でのCO2削減にも手を付けている。

 自動車の塗装工程は塗料を硬化させるために高温での焼き付けが必要。その熱源として液化石油ガス
(LPG)などを燃やし、排出されるCO2は多い。それが一部で出ている塗装工程そのものをなくすという
考え方につながっている。塗料の代替の1つはフィルムの貼り付けだ。塗料に比べて耐久性が劣るなどの
課題はあるものの、自動車メーカーの関心は高い。産業用ロボットで空気を入れずに貼り付けられるように
なってきたこともあり、実用化が現実味を帯びてきた。

 脱ガソリン車の動きも塗料以外の選択肢を浮上させる。自動車メーカーが強化する電気自動車(EV)や
プラグインハイブリッド車(PHEV)は重たい電池を載せる。一回の充電で走れる距離を長くするためにも
車体の軽量化は欠かせない。そのため樹脂など新たな軽量素材を車体に用いる動きもある。樹脂は融点が鉄などより低く、
高温での焼き付けには不向き。樹脂自体に色をつけて塗装不要の部品を採用した車種も現れ始めた。

 もちろん、関西ペイントもフィルムなどの基礎研究を進めている。「研究開発の注力分野も見直す。
電池と脱炭素をテーマに掲げるプロジェクトチームを立ち上げる」(古川秀範常務)。さらに自動車業界を
取り巻く変化は、新たな需要も生んでいる。

 関西ペイントはこのほど、ミリ波レーダーの電波を吸収するシートを開発した。衝突防止や自動運転のために
ミリ波レーダー搭載車が増えている。ただ乱反射した電波を検知して誤作動を起こす場合もある。
シートはそれを防ぐための製品だ。電波を吸収する材料が樹脂に練り込まれ、厚さ0.4ミリメートルで手軽に取り付けられる。
関西ペイントは最終的にこの材料を練り込んだ新車向け塗料の開発を狙う。

 技術開発は日進月歩だ。フィルムカメラなど新しい技術に追いやられた事例はたくさんある。自動車塗料が
無くなるというのは、あながち杞憂(きゆう)ではないかもしれない。その危機感をどう技術や経営の革新に生かすのか。
関西ペイントの動向に注目が集まりそうだ。

(大阪経済部 香月夏子)

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