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【自動車】トヨタがEVの先に見据える自動車ビジネスの姿とは


2018/04/10 20:28


国内ではトヨタが、シェアリングエコノミーへの対応などを進めつつ、次世代のモビリティーのコンセプトをまとめ、それを社会に普及させようとしている。この取り組みは、プリウスの登場によって世界を席巻したハイブリッド・システムに代わる成長の源泉を、トヨタが生み出そうとしていることだといえる。その取り組みが成功するか否かは、経営者の判断にかかっている。

これまで、自動車といえば“所有”することが当たり前だった。約30年前のバブルの絶頂期に社会人になった人々の場合、初めてのボーナスを頭金にしてスポーツカーを買い、週末はドライブを楽しむことが多かった。それは、経済成長や達成感を実感することでもあった。

 それに比べ、現在の若者はあまり自動車を買わない。自動車には乗るが、所有にこだわらないというスタイルだ。特定のモノを所有して限られた利用権を独占するよりも、必要に応じた幅広い利用権を手に入れた方が、お金を有効に使い満足度を高められるとの考えが増えている。

 この変化を念頭に置くと、将来、自動車市場は二つに分かれる可能性がある。一つは、自動車が所有される市場、もう一つはシェアされる市場だ。自動運転やコネクテッドカーが実用化されたとしても、自動車を買い達成感を味わう、あるいは自己顕示欲を満たそうとする人はいなくならないだろう。移動は自分の車がいいという人もいるはずだ。

 同時に、自動車をシェアする市場も拡大していくだろう。シェアされる自動車は、バスや電車など社会のインフラの一部に位置付けられることもあるだろう。トヨタが駐車場“タイムズ”で知られるパーク24とカーシェアのデータ収集で提携したのは、カーシェアリングの市場拡大に対応するためだ。

 加えて、トヨタは4つに分かれている直営販売会社を統合する予定だ。今回の業務提携と販社統合を組み合わせると、トヨタのビジネスは従来にはない広がりを見せるだろう。将来的には、販売会社にカーシェアリングの拠点としての機能が加わる可能性がある。つまり、自動車を販売する組織という販売会社の定義が変化し、新しい機能が加わるということだ。

 それが実現すると、販売店を拠点にカーシェアを利用する人の移動ライン=動線ができる。往来が増える分、多くのデータが蓄積され、従来の販売店に物流や小売り等の機能が付加されることも想像できる。シェアリング、データ駆動型の経済が進むにつれ、多様なビジネスの展開が描かれる。そのイメージをいかに具体化するかが重要だ。

ネットワークテクノロジーの進歩とともに、自動車の機能も変化するだろう。現在、世界の自動車業界では電気自動車(EV)の開発が進んでいる。

 さらに、IT空間に接続しデータ送受信を行う機能が加わり、自動車は動くIT機器(デバイス)になると予想されている。時間軸を分けると、短期的にはEV化、中長期的には自律的に駆動するコネクテッドカー、あるいはモビリティー・テクノロジーの研究・開発が進むだろう。

 自動車開発の側面からトヨタの取り組みを見ると、次世代の自動車開発を重視しているように見える。独フォルクスワーゲン(VW)は、中国でのEV事業に総額100億ユーロ(1.3兆円超)を投じる計画だ。市場へのEV投入のスピードの点でも、VWの取り組みは早い。ディーゼル車の排ガスデータ改ざん問題の挽回という意味でも、ドイツ自動車業界のEVシフトは急速だ。

 これに対し、トヨタは合弁相手から供給を受けることで、中国のEV化に対応する方針だ。ドイツ勢などに比べ、トヨタのEV戦略には、やや物足りなさがある。

 別の角度から考えると、トヨタは、EVの先に予想されるより大きな社会の変化を念頭に置いて競争力を高めようとしているのだろう。

2018年のCESで同社が発表した“e-Palette Concept”はその例だ。これは、EV、コネクテッドカー、自動運転技術を取り入れ、移動、物流、ビジネス拠点など多面的な活用を目指した次世代の自動車のイメージを体現している。

 同様のコンセプトは、メルセデスやVWも示しているが、他企業とのコラボ、目指すモビリティーの範囲という点で、トヨタのコンセプトはより包括的かつ先進的な内容を含んでいるとの見方もある。

 トヨタの考えるモビリティーはかなり幅広い。ある時はシェアリングエコノミーの拠点、別の時にはオフィスとして使われるなど、さまざまな用途が考えられる。極論すれば、トヨタは現実とネットワーク空間をコネクトする移動型のデバイス、あるいは動く経済のプラットフォームを開発し、新しい需要を生み出そうとしていると考えられる。
diamond.jp

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