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【郵便局】日本郵政、陰る収益力 マイナス金利で19年3月期28%減益


2018/05/15 23:31

日本経済新聞 2018/5/15 20:00
www.nikkei.com
決算発表する日本郵政の長門社長(15日、東京・霞が関)
https://www.nikkei.com/content/pic/20180515/96958A9F889DE1E2E7E1E4E7E3E2E3E7E2E7E0E2E3EA9797EAE2E2E2-DSXMZO3053864015052018EE8001-PB1-3.jpg
(最終損益のグラフ)
https://www.nikkei.com/content/pic/20180515/96958A9F889DE1E2E7E1E4E7E3E2E3E7E2E7E0E2E3EA9797EAE2E2E2-DSXMZO3053866015052018EE8001-PB1-3.jpg

 日本郵政は15日、2019年3月期の連結純利益が前期比28%減の3300億円になる見通しだと発表した。
マイナス金利の影響で稼ぎ頭のゆうちょ銀行の運用がふるわない。ゆうちょ銀頼みの収益構造に
陰りが見えつつある。日本郵政の長門正貢社長は記者会見でM&A(合併・買収)を念頭に
「3年間で数千億円の投資も視野に収益の底上げをめざす」と強調。成長分野の開拓に力を注ぐ考えを示した。

 18年3月期は連結純利益が4606億円。前の期は経営難の豪物流子会社トール・ホールディングスの
減損損失を計上して民営化後初の最終赤字だったが、2期ぶりに黒字に戻った。日本郵便の宅配便
「ゆうパック」の取扱数が25.6%増と大幅に伸びて過去最高の8億7588万個に達したことも寄与した。

 ただ、経営展望は険しい。15日発表した20年度まで3年間の中期経営計画がそれを表している。

 まずグループの純利益の約8割を稼ぐゆうちょ銀が減速する。19年3月期の純利益は前期より
927億円落ち込んで2600億円と、9期ぶりに3000億円を下回る。

 融資業務のできない同行は市場での資金運用が収益の柱だが、池田憲人社長は「マイナス金利の影響が
非常に大きい」と説明した。今後は利回りの見込めない国債投資を減らし、オルタナティブ投資などを進める。
比較的厚い利ざやの見込めるリスク性資産残高は現在の79兆円から3年間で87兆円まで拡大する。

 それでも以前の水準には戻りきらない。中計最終年度の21年3月期の純利益は2800億円にとどまると見込む。

 日本郵便は収益の拡大に向けて15年に豪トールを買収したが、17年3月期に約4000億円の減損処理を迫られた。
今後3年間でトール社の経営改善に取り組むと同時に、国内で同社のノウハウを活用した新事業の
立ち上げを計画。前期の収益を底上げした「ゆうパック」については、取扱数を20年度に10億5千万個まで
増やす目標も掲げた。ただ人手不足の足かせもあり、ここからの急成長は望みにくい。

 持ち株会社の日本郵政は、4月に不動産子会社を設立するなど新たな成長分野を模索している。
ただ、安定してグループの収益に貢献するには時間がかかりそうだ。

 こうした状況で、再び浮上しているのがM&A戦略だ。17年には、不動産事業のテコ入れ策として
野村不動産ホールディングスの買収を検討したが、不調に終わった。中計では具体的な分野に触れていないが、
「トール社の減損経験も踏まえた規律ある投資」(長門社長)をできるかがカギとなる。

 収益の底上げには業務の効率化も求められる。中期計画では1兆円規模のインフラ投資も発表した。
郵便局舎の工事に1380億円を充てる。ゆうちょ銀行は貯金事務センターの建て替えやATMの購入などに
1300億円、かんぽ生命保険はシステム開発や新しい携帯端末の導入などに1500億円を投じる。

 中期計画はIT(情報技術)活用の推進を打ち出し、ゆうちょ銀で2000人相当、かんぽ生命で
1000人相当の業務量を削減する方針も盛り込んだ。一方でゆうちょ銀で800人、かんぽ生命で500人を
成長分野に振り向けるなど人材の有効活用も探っている。

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