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【愛知】「奥三河の花咲かじいさん」死去 ダムに水没の集落で[11/17]


2018/11/19 23:39

シダレモモを手入れする伊藤七郎さん=2015年4月、設楽町川向で
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集落を彩ったシダレモモ。かつては「しだれ桃の里」と呼ばれた=11年4月、設楽町川向で
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 生まれ育った設楽町川向(かわむき)の集落にシダレモモを植え続け、「奥三河の花咲かじいさん」として親しまれてきた伊藤七郎さんが今月十一日、老衰で亡くなった。百歳だった。毎年春、赤や白、ピンクの花に包まれた集落は、間もなく設楽ダムの水底に沈む。

 養蚕の衰退で用済みとなった桑畑に、伊藤さんがシダレモモを植え始めたのは一九六五(昭和四十)年。「畑を荒らしちゃ、ご先祖さまに申し訳ないでねえ」。種から苗を育て、近所にも配った。

 集落のシダレモモは年々増え、一時は二千本近くが咲き誇った。町観光協会は一帯を「しだれ桃の里」と名付けてPRし、毎春、多くの花見客でにぎわった。

 川向は、設楽ダムの水没エリアになっている。二〇一三年夏、伊藤さんは設楽町田口に移転した。六十世帯が暮らした集落はこの年の暮れ、無人になった。移転後も伊藤さんは川向に通い、剪定(せんてい)や草刈りを続けていた。

 田口の高台に立つ新居の周囲にも、二百本のシダレモモが植えられている。「川向で種を拾ってきて育てた。わが子のようにかわいいぞん」。今春、花を眺めながら「来年も再来年も見たいでのん。まだまだ頑張らにゃあ」と語っていた。

 伊藤さんのシダレモモは設楽町の田峯地区、東栄町の月地区など奥三河各地に広がった。一五年には新東名高速道路の新城インターチェンジ周辺に百八本が植えられた。

 県や設楽町などでつくる設楽ダム水源地域対策協議会は今月四日、シダレモモ育苗講習会を開き、伊藤さんの長男・怜(さとし)さん(77)が講師を務めた。参加した約四十人の町民に種を配り、育ててもらった苗をダム湖畔に植える計画だ。

 「シダレモモへのおやじの思いが次の世代に伝えられ、『ルーツは七郎が育てた花か』と思い出していただければうれしいですね」。怜さんは、しみじみとした口調で話した。(鈴木泰彦)

中日新聞 2018年11月17日
www.chunichi.co.jp

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