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【野球/MLB】大谷は苦手な左投手を打てるようにならないと打者としての出場機会をかなり減らされる可能性も…「二刀流完遂」は相当の難事業


2018/06/11 20:24

大谷翔平の世界と大谷以外の世界。彼が戦う強者たちを検証する。

 大谷翔平のことを思うと、映画のロングショットが頭に浮かぶ。

 いわゆる「長玉」(超望遠レンズ)を使って大谷だけに焦点を合わせれば、周囲の風景はぼんやりとかすんで像を結ばない。だが、パンフォーカスのレンズを使えば、大谷はもちろんのこと、彼以外の風景や人物も同じフレームにはっきりと映し出される。

 私は、後者のレンズを好む。大谷翔平に素晴らしい才能が備わっていることは否定しないが、大リーグには彼以外にも傑出した才能が数多い。大谷と近い世代だけに絞っても、その数はかなりのものだ。
すでにビッグネームとなっている年長の才能までふくめると、数はもっと増える。彼らの存在に眼をつぶるのはあまりにも不条理ではないか。

 現在の大谷は、打者としては規定打席数(チームの試合数×3.1)に、投手としては規定投球回数(チームの試合数×1.0)に到達していない。先発登板の前後に休みをはさむ二刀流独特の起用法では、どうしても避けがたい事態だ。

 6月5日現在、投手・大谷は8試合に先発し、45回3分の1を投げて4勝1敗、防御率3.18の成績を残している。被安打は32、奪三振は57、与四球は17。

■同世代の投手と比べて奪三振率が高い。

 これを同世代の新鋭投手たちと比べると、どうなるか。

 '94年2月生まれのルイス・セベリーノ(ヤンキース)は、13試合に先発し、86回を投げて9勝1敗、防御率2.20と好調だ。奪三振は102。

 '93年6月生まれのアーロン・ノーラ(フィリーズ)の場合は、12試合に先発し、78回3分の1を投げて7勝2敗、防御率2.18だ。奪三振は74。

 アスレティックスで売り出し中のダニエル・メンデン(93年2月生まれ)は、74回3分の1を投げて、6勝4敗、2.91、48奪三振だ。ブレーヴスのショーン・ニューカム(93年6月生まれ)は62回3分の2を投げて、6勝1敗、2.73、64奪三振。

 彼らはいずれも投手専門だが、防御率や勝ち星では大谷を上回っている。ただ、奪三振率はこのなかで大谷がトップだ。セベリーノの10.67個(9回あたり)に比べても、大谷の11.32個という数字は光っている。

■10勝、200奪三振もクリアできそう。

 この数字を、大リーグ全体の奪三振率ランクに挿入してみると、7位に相当する(やはり規定投球回数に足りないドジャースの前田健太は11.70)。
ちなみにいうと、大谷よりも上位に並ぶのは、マックス・シャーザー(ナショナルズ)、ゲリット・コール(アストロズ)、クリス・セール(レッドソックス)、ジェイコブ・デグロム(メッツ)というお馴染みの顔ぶれだ。
彼らはそろって、9回あたり奪三振12個以上というハイスコアを叩き出している。

 被安打率を見ても、大谷はなかなかめざましい。9回あたり6.36という数字は、もし規定回数に達していれば、ノーラに次いで第8位に相当する。
このカテゴリーでは、ジャスティン・ヴァーランダー(アストロズ)、コール、シャーザーがトップ3を占め、セベリーノも6位に食い込んでいる。

 大谷が新人王を獲るとすれば、いま挙げた2部門での健闘が評価されてのことになるだろう。
残り100試合のうち、17〜19試合に先発してクォリティ・スタートを継続できれば、規定投球回数の162にぎりぎりで到達する可能性がある。10勝、200奪三振というボトムラインもおそらくはクリアできるだろう。

■規定打席到達はやや難しいか。

 一方、打者・大谷が規定打席数に到達するのはむずかしいのではないか。チームが62試合を経過した時点で129打席というペースだと、最終的には340前後の打席数になると見るのが妥当だからだ。

 6月5日現在のスタッツは、114打数、33安打、打率2割8分9厘、6本塁打、20打点、長打率5割3分5厘、OPS=.907。このなかでは、長打率とOPSが(もし規定打席数に到達していれば)大リーグ全体でトップ20に食い込める成績だ。

 ただ、問題はここまで28打数4安打(※打率.143)と苦にしている左投手を打てるようになるかどうかだろう。現状を克服できなければ、打者としての出場機会はかなり減らされる可能性がある。

>>2-5あたりに続く)

Number Web 2018/06/09 07:00 text by 芝山幹郎
number.bunshun.jp

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