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【西日本豪雨】災害弱者が犠牲に 障害持つ夫婦や独居老人


2018/07/10 23:36

毎日新聞 2018年7月10日 22時13分(最終更新 7月10日 22時13分)
mainichi.jp

 半数以上の世帯が浸水した岡山県倉敷市真備町地区では10日も新たに18人の遺体が見つかった。自宅の階段手前で倒れていた障害を抱える高齢夫婦、家ごと流された1人暮らしのお年寄り−−。遺族や知人の話から、災害弱者が濁流の中に取り残され、犠牲になった姿が浮かぶ。

 「姉夫婦は一生懸命逃げようとしたんでしょうけど、体が弱かったから……」。地域を管轄する県警玉島署で10日午前、遺体の身元確認のため、宮崎県から訪れた女性(71)が声を震わせた。

 女性の70代の姉は、80代の夫と真備町尾崎の2階建て住宅に暮らしていた。半身不随の障害を抱えた夫を、姉は懸命に介護していた。姉も最近は足腰が弱くなっていたという。

 近くの小田川が決壊した7日朝、女性は胸騒ぎがして姉に電話したが、呼び出し音は鳴らなかった。姉は夫の体調を心配し、台風が来るといつも避難所に移っていた。「今回も早めに移動したのかな」。そう考えていたところ、消防から「遺体が見つかりました」と連絡が入った。

 夫婦は発見時、階段の下に愛犬と一緒に並ぶように倒れていた。自宅2階には浸水した跡があり、逃げ切れなかったとみられる。部屋の時計は「午前2時40分」を指したまま。女性は「面倒見のいい姉で、母のような存在。数日前の電話でも『健康で長生きしようね』と話したばかりだったのに」と涙を拭った。

 真備町地区の中でも多くの犠牲者が出たのが有井地区。毎日新聞の取材では、半径250メートルの範囲で少なくとも8人が死亡。近隣で、小田川の支流から大量に水があふれるのを住民が目撃している。

 同地区の女性(75)の遺体は8日に自宅で見つかった。連絡が取れないことを心配した親族がボートで自宅を訪ね、壊れた屋根から室内をのぞくと水につかった女性が室内に倒れていた。約500メートル離れた場所でも70代女性が遺体で発見された。近隣住民によると、1カ月前に夫を亡くし、1人暮らし。浸水直前に息子が迎えに来たが、夫の位牌(いはい)を1人で取りに戻っている最中に家ごと流されたという。

 有井地区に隣接する岡田地区でも、1人暮らしの三宅信太郎さん(91)が遺体で見つかった。足が悪く、外出時は手押し車を使用。2階の外壁に浸水した跡の茶色い線が残っていた。三宅さんが通っていたデイサービスセンターの相談員、岡田晴美さん(24)は「センターでは(数字パズルの)『数独』をコツコツ集中して取り組んでいた。帰る際はいつも『ありがとう』と言ってくれた。6日に来た時も変わらぬ様子であいさつしてくれた。あれが最後になるなんて」と残念そうだった。【益川量平、戸田紗友莉、林田奈々、潟見雄大】

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