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【ハイパーループ】イーロン・マスクが地下トンネルで広げた新たな大風呂敷[01/05]


2019/01/12 04:24

<公表された高速地下交通システム構想には欠点しか見つからない>

あのイーロン・マスクが描く「高速地下交通システム」のビジョンが明らかになった。これが何とも悪い意味で、驚くべきものなのだ。ロケットを打ち上げると同時に「脱内燃機関」なるものにも取り組んでいる彼には、交通システムまで構想する時間とエネルギーが十分になかったのかもしれない。

12月18日、マスクは有名人やジャーナリストをカリフォルニア州ホーソーンに招待。経営するテスラ社の電気自動車に彼らを乗せ、自身が率いるボーリング・カンパニーが掘削した全長1.83キロの試験トンネルを時速80キロで走らせた。

ところがこの乗り物、自動車のようだが行き先は限定されている。列車のようでもあるが、乗車定員が少な過ぎる。都市の渋滞解消を目指すというこのシステムは、既存の交通手段の「悪いとこ取り」でしかない。

ロサンゼルス・タイムズ紙はこう書いた。「約2分のトンネル内の移動中、車のライトとトンネルの天井の青いネオンに照らされ続けた。車の走行するコンクリート上はデコボコで、泥道を走っているようだった」

ニュースサイトでは、自分のアイデアについて熱弁を振るうマスクらしい姿が伝えられた。彼はかつて車と歩行者を乗せた乗り物を移動させることを考えたが、今回は車だけのようだ。

シリコンバレーに関する報道には、以前から登場する皮肉っぽい視点がある。「彼ら」のやり口といえば、既存のアイデアを新しいもののように見せ、SNSで宣伝し、金を集めているだけじゃないか――。

だが今回のマスクのプロジェクトは、そんな皮肉にも値しない。何といっても、これはオリジナルなアイデア。輸送と移動の分野において誰も思い付かなかった......最悪のアイデアだ。

■地下鉄より効率が悪い

いずれは1時間に4000台の車を時速250キロでトンネル内を走らせると、マスクは豪語する。彼はロケット科学者かもしれないが、誰がそんな言葉を信じられるだろう。

仮にそれが技術的に可能で、全車に定員いっぱいの乗客が乗ったとしたら、マスクの計算では1時間に2万人が移動することになる。だがこの人数は、ロンドンの地下鉄ビクトリア線が運ぶ乗客の半分ほどでしかない。多くの人を運んで渋滞を解消することが目的なら、面倒なものを造らなくても、既存の地下鉄で構わないのではないか。

こんなシステムがうまくいくとは、とても思えない。車を地上に上げたり地下に下ろしたりするエレベーターが必要だろう。この乗り物を加速させ、地下を高速で走る車の流れに合流させる装置も必要かもしれない。それから、事故が起きた場合に備えて地下からの非常口も要るだろう。それから、それから......。

しかし、希望が持てそうな分野が1つだけある。マスクがトンネル掘削のテクノロジーをわずかながら前進させたことだ。

掘削スピードを速めるという約束は果たせず、2キロ弱のトンネルを完成させるのに1年半を要した(最新鋭の掘削マシンなら8カ月で済んだだろう)。だがマスクは低コストで完成できた、のかもしれない。

彼によれば、工事費は約1000万ドルだ。ただしこの金額には、調査や開発、備品のコストは含まれていないという報道もある。土地の買収費用や人件費が入っているかどうかも不明だ。

新しい都市交通システムを築くのは、ロケットの打ち上げよりも手間が掛かる、ということなのだろう。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/assets_c/2019/01/mags190105-musk-thumb-720xauto-149710.jpg
www.newsweekjapan.jp

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