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【生物学】精子と卵子の受精は無作為に行われているのではない可能性を示す研究が登場


2017/11/22 16:38

これまで、受精の時にどの精子が卵子の中へ入れるかは無作為で決まっていて、
あくまで卵子は精子がやってくるのを受動的に待っているだけだと考えられてきましたが、
研究者により、受精は無作為ではないらしいことが示されています。

Do Gametes Woo? Evidence for Their Nonrandom Union at Fertilization | Genetics
www.genetics.org

Choosy Eggs May Pick Sperm for Their Genes, Defying Mendel’s Law | Quanta Magazine
www.quantamagazine.org

もし受精が無作為で、ランダムに行われるものであれば、その子孫の遺伝子の組み合わせは特定の比率になり、
これはメンデルの分離の法則として知られています。
パシフィック・ノースウエスト研究所(Pacific Northwest Research Institute)のジョセフ・ナドー博士も
「分離の法則は、生物学において広く適用可能なルールの1つ」と語っていますが、
もし精子や卵子が何らかの形で受精に関与する他の精子や卵子に影響を及ぼすことができるなら、
この比率は変わってくる可能性があります。

長らく遺伝に関する研究をしているナドー博士は、マウスの2つの特定遺伝子(APOBEC1とDND1)に着目し、
2つの遺伝子の相互作用が遺伝性のがんの1つ・精巣がんのリスクにどう影響を与えるか調べました。
ナドー博士と博士課程のJennifer Zechelさんは、まずDND1の正常なコピーと変異コピーを持つ雌のマウスと、
APOBEC1のヘテロ接合体マウス(雄)を交配しました。すると、この交配で生まれたマウスはメンデルの法則に従っていました。
しかし組み合わせを入れ替えて、APOBEC1のヘテロ接合体マウス(雌)とDND1のヘテロ接合体(雄)を交配すると、
APOBEC1の変異体のみ・DND1の変異体のみ・両方の変異体を持つマウスが75%生まれるはずだったところが、
実際には27%しか生まれませんでした。

ナドー博士は原因が卵子ではなく精子にあると考えて研究を続行し、受精時の遺伝子的な偏りに気付きました。
すでにこのことには誰かが到達しているのではないかと博士は先行研究にあたりましたが、
「原因不明の子孫比」の例はたくさん見つかったものの、
遺伝的に偏った受精について本格的に追及したものはほとんどありませんでした。

その中で見つけたのが、遺伝性小児がんである網膜芽細胞腫の発症における「DDX1」というタンパク質に関する論文でした。
研究を行ったのはアルバータ大学のロズリーヌ・ゴッドバウト博士らで、
ホモ接合体の子孫の数が予測を下回ることを発見していました。
ナドー博士からの問い合わせを受けた、ゴッドバウト博士の共同研究者でマックス・E・ヘルツ研究所のデボン・ジェルマン氏は、
不思議なパターンの遺伝だとは思ったものの、「受精がランダムではない」という考えには至らなかったと語っています。

なお、「卵子は受動的なだけではない」という見方には賛同する研究者もいますが、
受精の「偏り」が起きる可能性については研究の余地があることが指摘されており、ナドー博士もその点には同意しています。

GIGAZINE
gigazine.net

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